川崎医科大学附属病院における「原発性肺癌」 ―外科手術例の臨床病理学的検討― 1986年から1995年までの過去10年間に川崎医科大学附属病院病理部で扱った原発性肺癌294外科手術例について臨床病理学的に解析した.とくに年次推移,病理組織像,性差,死亡年齢などに注意を払ったが,年次推移,性差については先に報告した1986年~1995年までの剖検例の解析結果と比較検討した.本学では腺癌が最多の組織型で,その増加傾向はここ2~3年でピークに達しているが,小細胞癌は未だに増加傾向を示すとともに,男性の発生率が非常に高いという特異性がみられた. (平成9年3月10日受理)