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Online edition:ISSN 2758-089X

大腸癌原発巣におけるラミニン発現の臨床病理学的意義

癌の浸潤・転移という過程には,癌細胞と基底膜との間の複雑な絡み合いが存在している.大腸癌の癌細胞が作る基底膜が癌の浸潤程度や転移とどのような関係にあるかを明らかにする目的で,197例の大腸癌切除材料を用い,ラミニンの発現を免疫組織学的に調べた.大腸腺癌のラミニンによる基底膜形成能は高分化型で高く,低分化型で低い傾向にあるが明らかな有意差はなかった.また深達度やリンパ節転移の有無,肝転移の有無と基底膜形成能との関係も検討した.前二者との間には有意な関連性がみられたが,肝転移に関しては有意な関連を認めなかった.                 (平成8年10月23日採用)
著者名
吉田 和弘
22
3
129-134
DOI
10.11482/KMJ22(3)129-134.1996.pdf

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