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内観のイメージ研究 一主成分分析による解析-

本研究の目的は内観未経験者に対して内観について説明する際の注意点を提起することにある.そこで,まずSD法により以下のコンセプトー内観,精神分析療法,森田療法,認知療法,行動療法,芸術療法,支持的精神療法,母,父,仏教,神道,自然崇拝,キリスト教一についてのイメージを調査した.すなわち,各コンセプトについて20の形容詞対の得点をそれぞれ0から7点で評点した.そして,平均得点をもとに主成分分析を行った.その結果,寄与率は第1主成分が51.8 %,第2主成分が28.1 %,第3主成分が7.3 %であった.また,各コンセプトの主成分得点(第1主成分,第2主成分)は,内観(-2.438,2.796),精神分析療法(-3.037, 3.686),森田療法(-3.105, -1.854),認知療法(-0.829, -1.805),行動療法(-2.211, -1.901),芸術療法(5.033, -3.342),支持的精神療法(-1.096, -3.327),母(8.057, 1.985),父(2.088,2.537),仏教(-1.131 , 2.375),神道(-1.659, 0.583),自然崇拝(-1.309, -1.615),キリスト教(1.636, -0.049)であった.なお,因子付加量から第1主成分は「母性」の因子であり,第2主成分は「重大さ」の因子と考えられた.「母性」を横軸とし「重大さ」を縱軸として各コンセプトを2次元上に配置し,内観のイメージについて検討した結果,内観の治療構造には父性的側面と母性的側面の両者が共存しているにもかかわらず,内観未経験者にとっては内観は母性的な療法としてのイメージが希薄である.また,内観はその方法は極めて簡単であるにもかかわらず,内観未経験者にとっては重大なイメージで受け取られすぎている.このような内観の実際とイメージの解離を防止するために,治療者は内観未経験者に対してはこれらの点をふまえて慎重に説明しなければならない.       (平成8年10月1日採用)
著者名
笹野 友寿
22
3
157-166
DOI
10.11482/KMJ22(3)157-166.1996.pdf

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