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Online edition:ISSN 2758-089X

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ヒト瘢痕組織(肥厚性瘢痕・ケロイド)由来線維芽細胞のI型コラーゲン・ゲル上およびゲル内培養系における検討

コラーゲンを基質として用いる培養法は,細胞形態等が生体内に近くなり,細胞-コラーゲン相互作用をみる上で良い実験系と考えられる.本研究では,外科的手術時に得られた正常皮膚,肥厚性瘢痕およびケロイドより線維芽細胞を遊出し,ゲル培養法による比較検討を行った.コラーゲン・ゲル上,ゲル内培養では,正常真皮線維芽細胞の増殖は著しく抑制された.一方,ケロイド由来線維芽細胞では,プラスチック上に比べて抑制されてはいるものの,ゲル内でもなお強い増殖性を示した.コラーゲン・ゲル収縮を用いた比較では,ケロイド由来線維芽細胞の収縮力が最も強かった.コラーゲン・ゲル収縮を抑制する薬剤の検討として, IFNα-2bを用いた実験を行った.ケロイド由来線維芽細胞のゲル収縮状態は, IFNα-2b(10001U/ml)により正常真皮由来線維芽細胞のレベルにまで抑制された.最後に平滑筋作用薬剤のコラーゲン・ゲル収縮に対する効果を検討した.各種線維芽細胞によるコラーゲン・ゲル収縮が平滑筋弛緩薬(PGE1 Papaverine)により抑制された.このことは,培養線維芽細胞が平滑筋的収縮能を有することを示唆するものと考えられる.(平成8年10月1日採用)
著者名
佐原 慶一郎
22
3
183-196
DOI
10.11482/KMJ22(3)183-196.1996.pdf

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