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大腸表面型小腺腫の走査電子顕微鏡的研究―特に陥凹性変化について―

内視鏡的粘膜切除術によって切除された大腸表面型小腺腫(径10mm以下)で陥凹性変化をもつものを中心に走査電子顕微鏡(以下,走査電顕とする)で観察し下記のような結果を得た.1.表面隆起型(IIa型)は,既に報告されている隆起型腺腫とほぼ同様の走査電顕所見であったが,病変内に正常な陰窩が点在していた.2.表面平坦型(IIb型)はIIa型とほぼ同様の走査電顕所見であったが, IIa型と異なり正常な陰窩開口部をもつ陰窩は存在しなかった.3. IIa型で面をもたない陥凹部分があるIIa十dep型(depはdepressionの意)は, IIa型の所見とほぼ同様であったが,狭い陥凹底(長径300~500μm,短径150~300μm)の陰窩開口部は径10~20μmと小さく,小型の腺腫細胞集団が乳頭状小隆起として観察された.これらは走査電顕によってはじめて観察することができた.4.IIa型で陥凹部分が面としてあるIIa+IIc型はIIa部分は既に報告されている隆起型腺腫と同様の所見であったが, IIc部分は明らかに異なり陰窩開口部は径20μmと小さく,配列も不規則で腺腫細胞も部分的に欠損していた.5.正常粘膜よりも低い陥凹面をもつIIc型は,陰窩開口部は径10~20μmと小さく,配列は不規則で腺腫細胞の脱落した所見もあった.6.IIa+IIc型のIIc部分とIIc型ではともに陰窩は不揃いで小さく,その配列も不規則で腺腫細胞の脱落もあり,既に報告されている大腸腺腫の走査電顕像とは異なっていた.(平成7年3月24日採用)
著者名
菅原 淳
21
1
1-13
DOI
10.11482/KMJ21(1)1-13.1995.pdf

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