原発性硬化性胆管炎を合併した潰瘍性大腸炎の1例―cyclosporinの治療効果を中心に― 症例は17歳男性.潰瘍性大腸炎にて当院で観察中に肝胆道系酵素の上昇をきたしたため内視鏡的逆行性胆管造影を行い,原発性硬化性胆管炎と診断した.両疾患の合併は本邦では少なく,これまでに46例を数えるに過ぎない.自験例と合わせ,その臨床像の特徴について述べた.さらに本症例は難治性の潰瘍性大腸炎症例であり, cyclosporinの投与によって症状の改善を認めた. (平成7年6月20日採用)