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Online edition:ISSN 2758-089X

乳癌と乳房形成術

本邦では乳癌罹患率が経年的に上昇しており,やがて胃癌や子宮癌を抜いて第一位になるといわれている.乳房は女性の大切な象徴であり,生活価値観および社会情勢の変化にともない,乳房再建を希望する患者が増加している.現在は,有茎筋皮弁を使用した乳房再建が主流であり,定型的乳房切除術後で胸壁の変形が著しい症例では有茎あるいは遊離腹直筋皮弁が,また,非定型的乳房切除術後で胸筋群が比較的残存している症例では広背筋皮弁が用いられている.しかしながら乳房温存療法も次第に普及しつつあり,今後は各術式に対応した様々な再建術式の開発が望まれる.乳房再建が乳癌治療の一貫として一般化する可能性は高く,安全かつ確実な乳癌治療をすするためには形成外科医と外科医が専門分野を超えて乳癌に精通することが大切であると考えられる. (平成7年8月23日採用)
著者名
日域 洋子,他
21
2
105-110
DOI
10.11482/KMJ21(2)105-110.1995.pdf

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