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Online edition:ISSN 2758-089X

甲状腺機能亢進症および甲状腺ホルモン負荷におけるレニンーアンジオテンシン系への影響

甲状腺機能亢進症の血清アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性とレニンーアンジオテンシン系に対する影響を検討した.未治療甲状腺機能亢進症例において血清ACE活性は健常者や既治療者に比べ有意(p<0.01)に増加した.また,血清ACE活性は血清Free T3(FT3)と有意(p<0.001)な正の相関を示した.その機序を解明するために健常者18名に甲状腺ホルモンを投与した.血清FT3は甲状腺ホルモン剤の投与で有意に増加した.血清ACE活性は投与前3.42±0.32 nmol/ml/min (平均±SE),投与1時間後から増加し,4時間後4.66±0.72 nmol/ml/min と有意(p< 0.05)に増加した.血漿レニン活性. AI,AIIは投与前に比べ,投与4時間後にいずれも有意な上昇を示し,同様の亢進を示した.以上の結果より,甲状腺機能亢進症におけるACE活性の上昇とレニンーアンジオテンシン系の亢進は甲状腺ホルモンの刺激によるものが考えられた.    (平成7年11月13日採用)
著者名
河合 洋二郎
21
4
269-274
DOI
10.11482/KMJ-J21(4)269

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