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Online edition:ISSN 2758-089X

GenotypeからみたC型慢性肝炎に対するインターフェロンの治療効果

C型肝炎ウイルスのgenotypeとインターフェロン(IFN)治療効果との関連を検討するため60例のC型慢性肝炎にIFN投与を行い,その治療効果をみた. HCVgenotypeはRT-PCR法によりHCVウイルスのcore領域の塩基配列の違いからI -IV型に分類する方法を用いた.HCV-RNAの定量はnested PCR法により測定した.II型の著効は43例中8例(18.6%)であったのに対し, III型では11例中8例(72.7%)であった.IV型は4例中1例(25%)に著効を認めた.HCV-RNAは1 0 3.5~107 copy/ml と各型にわたり,その分布には一定の傾向を示していなかった. IFN治療効果はHCV-RNA量の低いものに多くみられる傾向はあったが, III型ではHCV-RNA量の多いものでも有効であった. HCV-RNA量が高値を示すII型でIFN投与中GPTの改善を認めず投与終了後GPTは低下し,HCV-RNAの陰性化を認める例があり, IFN治療効果の予測が困難な例のあることが注目される.                             (平成5年11月13日採用)
著者名
山本 晋一郎,他
20
1
1-5
DOI
10.11482/KMJ20(1)1-5.1994.pdf

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