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Online edition:ISSN 2758-089X

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アスベスト線維曝露による多クローン性リンパ球活性化とMHC Class II との関連

近年,環境汚染物質であるアスベスト線維の曝露により各種臓器癌や自己免疫疾患の発生率の増加が指摘され,当科においても,末梢血分離単核細胞にクリソタイル繊維の添加することにより, CD4+ CD45RA+細胞(Suppressor-inducer cell)の活性化が引き起こされることを報告してきた.今回の実験では,クリソタイル繊維以外のアスベスト線維においても同様にCD4+ CD45RA+細胞の活性化と細胞内カルシウム,及びIL-2の増加を引き起こすことを証明した.またこれらの変化はMHC Class II陽性細胞を破壊することにより認めなくなった.以上よりアスベスト線維によるリンパ球活性化にはMHC Class II陽性細胞が必要であり,またリンパ球活性化は珪酸を含む各種アスベスト線維および珪酸単独によってもひきおこされることから,珪酸化合物特有の現象と考えられた.また,ポリクローナルなT cellの活性化とMHC依存性から,これら珪酸化合物によるリンパ球活性化がスーパー抗原としての作用による可能性も考えられた.  (平成6年2月25日採用)
著者名
渡辺 佳樹
20
2
77-84
DOI
10.11482/KMJ20(2)77-84.1994.pdf

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