劇症化を示したアルコール性肝炎の一救命例 劇症化を示したアルコール性肝炎を経験した.症例は,47歳男性で黄疸を主訴に来院した.患者は大量飲酒者で,特に入院前1ヶ月間は8~10合/日連日飲酒しており,入院時Ⅱ~Ⅲ度の肝性昏睡を呈しており, T-Bil. 22.4 mg/dlと高度の黄疸を認め,プロトロンビン時間も20.2秒と延長していたため,アルコール性肝炎の劇症化例と考え,治療を開始した.血漿交換,ステロイド,グルカゴンーインスリン療法,アミノレバン,ラクツロース,利尿剤などにより症状軽快した.腹腔鏡下肝生検を施行し,肝硬変の像が得られた.(平成6年9月13日採用)