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Online edition:ISSN 2758-089X

肺犬糸状虫症の1例

人畜共通感染症(Zoonosis)のーつである肺犬糸状虫症(Pulmonary dirofilariasis)の一例を経験した.症例は70歳,女性,家業は農業,集団検診にて胸部異常陰影を指摘されて来院した.胸部X線写真上,右上肺野S3に2cm大の銭型陰影を認めた.各種検査にて確定診断がつかず,増大傾向がみられ肺癌も否定出来ないため,胸腔鏡下肺楔状切除を行なった.摘出標本の病理組織学的検索で壊死性組織の中に犬糸状虫(Dirofilaria immitis)と思われる虫体を確認し肺犬糸状虫症と診断した.本症は比較的稀な疾患であるが,近年集団検診により異常陰影として発見される機会も増加しており,肺野の銭型陰影の鑑別診断の一つとして念頭におく必要がある.                   (平成6年9月13日採用)
著者名
大西 久司,他
20
3
209-213
DOI
10.11482/KMJ20(3)209-213.1994.pdf

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