Online edition:ISSN 2758-089X
心内膜側冠微小血管における拍動特性について
我々はニードルプロープ・CCDビデオマイクロスコープを用いることによって,心内膜側微小血管の拍動パターンを評価することを初めて可能にした.Control conditionにおいて,心内膜側細動・静脈ともに心筋収縮により,大きく約20%血管径は減少し,一方,心外膜側細動脈は心周期を通してほとんど変化を認めず,心外膜側細静脈は収縮期に増大した.延長した拡張期には細動脈の血管径は大動脈圧の減少と共に減少し,一方,細静脈の血管径は反対に増加し,血液貯留のためのキャパシターとして働いていることが明らかとなった.心内膜側における冠予備能が少ないのは,今回の反応性充血反応の評価より,血管拡張反応が少ないことによるものではなく,心筋収縮弛緩による心内膜側細動脈の大きな拍動性が主因と窺われた. (平成6年6月7日採用)
- 著者名
- 矢田 豊隆,他
- 巻
- 20
- 号
- S
- 頁
- 187-197
- DOI
- 10.11482/KMJ20(S)187-197.1994.pdf