Online edition:ISSN 2758-089X
正常人の尺骨神経および正中神経刺激による僧帽筋の誘発筋電図
尺骨神経,正中神経の刺激による僧帽筋の誘発筋電図を,正常人14名について肘関節のレベルでそれぞれの神経を0.1 msec. 超最大刺激で刺激し,僧帽筋の電位は上部線維から表面電極により導出,50回連続記録を行った.誘発筋電図は24.4~33.9 msec の潜時を持つ早期に出現する波と56.4~73.6 msec の潜時を持つ遅く現れる波が区別でき,潜時はいずれも僅かな変動を示した.早期に出現する誘発筋電図を認めたものは尺骨神経刺激で14名中11名,全体を通じての出現率は0.48,正中神経刺激では7名, 0.17,遅く出現する波は尺骨神経刺激で9名,出現率は0.39,正中神経刺激で2名,出現率は0.079である.誘発筋電図の本態としては多シナプス反射,脊髄・延髄・脊髄反射等が考えられる.(平成5年9月22日採用)
- 著者名
- 明石 謙,他
- 巻
- 19
- 号
- 3
- 頁
- 199-204
- DOI
- 10.11482/KMJ19(3)199-204.1993