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インスリン非依存型糖尿病ヒト膵島におけるProinsulin ,Insulinの局在に関する免疫組織学的研究

近年, proinsulinのRIA系が確立され糖尿病とくにインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)においても血中proinsulin値が高値を示す症例のあることが知られている.今回NIDDMの外科手術例3例の膵組織を用いて,イムノゴールド法を用いた免疫電顕によりproinsulin ,insulinの局在を検討し, NIDDMにおける高proinsulin血症の原因について考察した.3症例中2症例(Case 1 , 3)で血中proinsulin値は高値を示した. Case 1ではproinsulinの局在は幼若分泌顆粒のみでなく成熟分泌顆粒にも認められ, proinsulinからinsulinへの転換阻害が存在すると思われた. Case 3は,B細胞内におけるproinsulinの局在はほぼ正常であったが,一部に幼若分泌顆粒の増加をみとめ,血中に成熟分泌顆粒からだけでなく幼若分泌顆粒からも直接ホルモンが分泌される可能性も示唆されるものと考えられた. Case2は血中proinsulin値の増加はなく,免疫電顕ではproinsulin , insulinの局在には異常は認められなかったが染色性が低下していた.今回得られたproinsulinのB細胞内での合成,転換,分泌動態の異常所見は, NIDDMの病因を考える上で有用なものと考える.           (平成5年10月22日採用)
著者名
八幡 愛弓
19
4
283-292
DOI
10.11482/KMJ19(4)283-292.1993

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