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悪性腫瘍を合併した双極性障害3例の検討

悪性腫瘍を合併した双極性障害3例の経過について検討した.症例1は45歳男性,20歳の頃うつ状態で発症,40歳の頃胃癌と診断され胃亜全摘術を受けたが,術後訴えが心気的になり,抗うつ薬の効果も不明瞭になってきた.症例2は47歳男性,28歳頃にうつ状態で発症,44歳のときに甲状腺癌の診断で甲状腺全摘術施行されたが,術後やはり抗うつ薬の反応が乏しくなり,訴えも不安,焦燥感を中心としたものへと変化していった.2例とも躁病相に大きな変化は認めなかったが,うつ病相は遷延する傾向にあった.症例3は70歳女性,23歳の頃躁状態で発症,67歳のとき子宮体癌で子宮全摘術施行されている.うつ病相がほとんどなく,術後も躁病相しかみられなかったが,この症例では術前後で明らかな変化は認められなかった.3例とも病名の告知を受けており,双極性障害患者が悪性腫瘍の告知,診療を受けた場合,うつ病相の方により強く影響を与えるのではないかと推測された. (平成3年12月16日採用)
著者名
坂本 和雅,他
18
1
25-31
DOI
10.11482/KMJ18(1)25-31.1992.pdf

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