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子宮体部中胚葉性混合腫瘍(mixed mesodermal tumor)の1例

子宮の悪性腫瘍のなかで,稀な子宮体部中胚葉性混合腫瘍(mixed mesodermal tumor)を経験した.症例は56歳,主婦.平成3年2月頃より不正性器出血を主訴に近医受診し,子宮の悪性腫瘍を指摘され精査,治療目的にて当科入院となった.診察所見では,子宮はやや腫大し,悪臭ある褐色帯下が多量に認められ,両側附属器は触知しなかった.超音波検査上は子宮内膜は過形成で,石灰化が認められた.子宮内膜審査掻爬では,子宮体部中胚葉性腫瘍が疑われたが,確定診断は得られなかった.胸部X線像およびCT, MRIでは転移を思わせる所見は認められなかった.外科的治療として単純子宮全摘術,両側附属器剔除術および骨盤リンパ節郭清術を施行した.摘出した子宮には内膜より突出する腫瘍が存在し,腫瘍は筋層方向に筋層の内側1/3まで浸潤していたが,両側卵巣,卵管およびリンパ節には転移は認められなかった.手術後11日目よりホルモン療法として, Medroxyprogesterone Acetate (MPA) 600 mg /day の投与を始め,6ヵ月間投与した.本腫瘍は確立された治療法がなく,予後が極めて悪い疾患であるが,局所,胸部等に再発の所見を認めず,約1年であるが比較的良好な経過を得ているのでここに報告する. (平成4年5月9日採用)
著者名
山内 英明,他
18
2
137-141
DOI
10.11482/KMJ18(2)137-141.1992.pdf

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