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Online edition:ISSN 2758-089X

膵癌発見に対する超音波検査の有用性についての検討 ―腹部超音波集団検診における膵腫瘍発見の現況より―

腹部超音波検査は無侵襲で多臓器のスクリーニングが可能であり,近年集団検診にも導入され,肝臓を主とする悪性新生物の早期発見に優れた成績をあげている.しかし,膵臓については,所見が少なくまた描出不良例が多いことなどの理由により,有用性が疑問視されていた.我々は, 1987年より地域集団検診の場において腹部超音波検査を導入し,膵臓についても積極的な観察を行ってきた.その結果, 1987年から1991年までの5年間に,19,184人の受診者のなかから3例(0.016%)の膵腫瘍を発見し切除した.腹部超音波検査で発見される膵腫瘍は切除可能例が多く,今後膵癌の早期発見にむけての有効なスクリーニング法として期待される.         (平成4年12月26日採用)
著者名
唐井 一成,他
18
4
327-331
DOI
10.11482/KMJ18(4)327-331.1992.pdf

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