h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

アデノウイルス感染後期に合成されるVA RNAの抗インターフェロン作用機構

インターフェロンーα(IFN-α)処理したKB細胞内にchloramphenicol acetyltransferase (CAT)遺伝子を導入して発現させるtransient expression assayを用いて,ヒト型アデノウイルス2型のコードするVA RNAの機能を検討した.CAT活性はVA RNA遺伝子及びCAT遺伝子を組み込んだそれぞれのクローンを共移入した細胞の抽出液を用いて測定した.正常細胞ではVAI RNAが対照(VA RNA なし)と比べCAT活性を67%促進し, IFN-α処理細胞では対照より約2倍の促進効果を示すことがわかった. VAII RNAは正常細胞でCAT活性を31%促進したが, IFN-α処理細胞では有意な促進効果がみられなかった. IFN-α処理によりCATのmRNA量は約1/30に低下するが,VA I RNAとVAII RNAの間にはCAT-mRNA量の差は認められない.したがって, VA RNAの効果は翻訳レベルのものであることが明らかとなった. VA I RNAはCAT遺伝子発現を翻訳レベルで促進し抗IFN-α作用を示す. VAⅡ RNA もまた翻訳促進効果を示すが,転写発現レベルがVA I RNAの1/30~1/50と非常に低いため,明瞭な抗IFN-α作用は認められなかった.今後,更に検討する必要がある.          (平成3年2月22日採用)
著者名
森 健一
17
1
65-76
DOI
10.11482/KMJ17(1)65-76.1991.pdf

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