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Online edition:ISSN 2758-089X

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高速度映画撮影による僧帽弁SJM人工弁々葉の動態の解析

X線シネ撮影装置を用いて僧帽弁St. Jude Medical人工弁の撮影を行い,人工弁々葉の動態の解析を行った.対象を心房細動の有無と後尖側弁下組織を温存したか否かに分け,それぞれにおける人工弁開放,閉鎖時間,及び腹側,背側弁葉の動態を比較検討した.弁葉の開放は心調律と関係なく対称的な動きを示し,開放時間も一定であった.弁葉の閉鎖時間は,洞調律例では一定であったが,心房細動例では閉鎖時間の延長した心拍や腹側,背側弁葉の非対称的な動きをする心拍を認めた.閉鎖時間の延長した心拍は背側弁葉が拡張末期,R波に先行し閉鎖が開始するためで,これは心電図の先行R-R間隔が平均R-R間隔より延長した心拍に認められた.腹側弁葉の早期の非対称的な閉鎖の開始は,温存術式の心房細動例で高頻度に認められ,心電図のR波より平均14±6 msec 先行して閉鎖が開始していた.腹側弁葉の早期の閉鎖運動開始は左室拡張末期圧,肺動脈楔入圧,僧帽弁圧格差との間に関係はなく,弁下組織の機能により生じた血流変化により生じたものと推測された.                              (平成3年6月12日採用)
著者名
原 太久茂
17
2
140-147
DOI
10.11482/KMJ17(2)140-147.1991.pdf

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