h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

カルボキシペプチダーゼA(CPase-A)によるペプチドのC一末端アミノ酸配列の解析

タンパク質やペプチドのアミノ酸配列決定はN一末端から解析するEdman法やDABITC法がよく使用されているがC一末端からアミノ酸配列を決定するCarboxypeptidase (CPase)法も有益な方法と考え,β鎖グロビンのC一末端領域のアミノ酸配列決定に応用してみた.CPase-Aのβ鎖グロビンとの酵素反応モデルをMichaelis-Menten式(M-M式)を基にし,パソコンを用いて組み立てた.[S]=基質濃度,Km=ミカエリス定数,Vmax(μmol/min) =最大CPase-A活性値,C一末端アミノ酸によるCPase-A相対活性係数Kの4つをパラメーターとして使用した.このモデルを用い分析した各反応時間でのCPase-Aによるアミノ酸遊離量を予測値として算出した.正常βA鎖グロビンとCPase-Aとの反応によって遊離されるアミノ酸量と予測値の間にはよい一致がみられた.また,この方法を異常ヘモグロビンに応用した結果,C一末端領域のアミノ酸配列決定に有効な手段となることを示した.                                 (平成3年7月5日採用)
著者名
土井 和子,他
17
2
159-166
DOI
10.11482/KMJ17(2)159-166.1991.pdf

b_download