脂肪肝と血中脂質の関連についての1考察 脂肪肝は臨床上健康な者に行った腹部超音波検査では,最も多くみられる所見のーつである.しかし,その診断的意義については明らかにされていない.我々は,脂肪肝と肥満や血清脂質との関連を調査するため,岡山県灘崎町の住民健診を受診した613名について検討した.脂肪肝の有無と有意に関連があったのは,年齢とHDL-コレステロール値であった.脂肪肝の出現頻度は50歳代に最も多かった.脂肪肝と高総コレステロール血症・低HDL-コレステロール血症との関連は,肥満のグループより肥満でないグループの方がより著明であった. (平成3年8月30日採用)