Online edition:ISSN 2758-089X
yG-CSFの感染症治療における有用性の基礎的検討-マウスKlebsiella肺炎モデルに対する抗菌剤との併用効果-
マウスKlebsiella肺炎モデルにおけるyG-CSFの治療効果を検討し,以下の結果を得た.1)1日当たり40 mg/kg のCefmenoximeを感染後3日間,1日2回投与した場合,感染8日後の生存率は20.0%であるのに対し,感染前あるいは前後に1匹当たり100μgのyG-CSFを連日CMXに併用投与した場合の生存率は55~60%まで改善した.2)感染後の肺内生菌数の推移では, yG-CSF併用群は菌の増殖がより抑制されることが示された.3)併用効果が最も大きかったのはyG-CSFを感染前後に投与した場合であるが,感染後のみの併用でも生存率の改善傾向と肺内での菌の増殖抑制傾向が認められた.以上の結果より, yG-CSFは重症感染症治療に対して,有効性の期待できる支持療法のーつと考えられた. (平成3年10月28日採用)
- 著者名
- 多田羅 治,他
- 巻
- 17
- 号
- 4
- 頁
- 329-333
- DOI
- 10.11482/KMJ17(4)329-333.1991.pdf