Angiotrophic Lymphomaが原因であった非高血圧性脳内出血の1例 症例は高血圧症の既往がない64歳の女性,構語障害を主訴に近医を受診.頭部CT検査にて多発性脳内出血と診断された.その後約1か月の経過で体幹,四肢の紅斑が出現し,多彩な神経症状を呈しながら傾眠状態となり紹介入院となった.顆粒球減少症,異型リンパ球の出現を認めたため,骨髄穿刺を行い,悪性リンパ腫の骨髄浸潤と診断した.全身管理を中心に治療したが,次第に血圧が下降し,死亡.剖検により,B細胞由来の血管内浸潤性悪性リンパ腫と判明した.早期に診断できていれば,根本的治療が可能であったと思われ,その診断的アプローチが重要であると考えられた. (平成3年10月29日採用)