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Online edition:ISSN 2758-089X

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冷凍同種骨移植における骨形成に関する実験的研究 一成長ホルモン全身投与および多孔性の冷凍同種骨移植-

冷凍同種骨移植において全身的な成長ホルモン投与および皮質に穴を開けることが骨形成にどのような影響を与えるかを調べるために,家兎を用いて実験的研究を行った.成熟家兎の腸骨に1×0.7cm大の骨欠損を作製し,一方の腸骨には新鮮自家骨を,他方の腸骨には,冷凍同種骨を移植し,ヒト成長ホルモンを0.5I.U./kg/week筋肉注射した.コントロール群としては,ヒト成長ホルモンを投与せずその他の条件を同じにした移植群を用いた.術後4週目と8週目に家兎を屠殺し,X線学的,組織学的,およびテトラサイクリンを用いたラベリング像観察法にて骨形成を検討した. また皮質に穴を開けた冷凍同種骨とそのままの形状の冷凍同種骨を家兎の両側の腸骨に移植した.術後4週,8週,16週,24週目に屠殺し,X線学的,組織学的,およびテトラサイクリンを用いたラベリング像観察法を用いて,移植骨片内の骨形成を検討した. 成長ホルモン投与群では,コントロール群において認められた術後の骨粗鬆化は認められず,逆に移植骨片全体の骨硬化が認められた.また,毋床と移植骨の接合部において,幼弱な新生骨がラベリング像を伴って大量に認められた.皮質に穴を開けた冷凍骨移植群は,術後24週目の時点で移植骨全体が高度な骨粗鬆の状態となっていた.また,ラベリング観察法にて,まだら状のラベリング像が移植骨片内に術後16週目で認められた.                              (平成2年8月29日採用)
著者名
井上 猛
16
2
141-152
DOI
10.11482/KMJ-J16(2)141

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