h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

外傷性表皮嚢腫の成立機序に関する研究 一嚢腫壁と被覆表皮の形態計測的比較-

外傷性表皮嚢腫を構築する表皮様細胞の特性を調べるため,全自動画像解析装置を使用して3例の外傷性表皮嚢腫の組織標本から表皮様細胞の形態計測を行った.さらに被覆表皮の正常表皮細胞における同様の計測結果より比較解析を行った.そして,以下のような結果を得た.(1)表皮嚢腫の表皮様細胞は,正常表皮細胞に比べ,個々の核の平均面積は有意に小さい値を示した.( 2 ) F-shapeというパラメーターを使用し,個々の核の最内径/最外径の比を計測した.この結果,表皮様細胞は正常表皮細胞よりも,有意に扁平化の傾向を示した.(3)任意に嚢腫壁の範囲を指定し,その区画範囲の面積を計測した.さらに,その区画面積内の個々の核面積を測定して,その核の総面積を計算した.そして,単位面積当たりの核面積比を,核総面積/区画面積の式より算出した.その結果,嚢腫壁の核面積比は有意に正常表皮よりも小さい値を示した.(4)以上より,外傷性表皮嚢腫を構築する表皮様細胞では,被覆表皮に比べ増殖能よりも分化機転の方が優位であることが示唆された.       (平成2年8月14日採用)
著者名
梶川 浩
16
2
153-159
DOI
10.11482/KMJ-J16(2)153

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