アメーバ性大腸炎の診断と内視鏡的検討 アメーバ性大腸炎を過去13年間で8例経験した.症例は男性7例と,女性1例.主訴は粘血便か血便.5例に海外渡航歴あり.診断は1例が既往歴と内視鏡で,1例が抗体法で,残りの6例が粘血便か生検組織の鏡検で赤痢アメーバ栄養型または嚢子を検出して確定した.また生検のHE.染色標本からの原虫検出率は4/6例(67%)であった.病変は全例直腸に存在し,1例盲腸にも認めた.内視鏡的には出血,発赤,びらん,潰瘍,浮腫状ひだ隆起を認め,5例で病巣間に健常粘膜に近い像をみた.なかでも多発生のタコ疣状・アフタ様のびらん・潰瘍と出血が散在性に目立つこと, Houston弁や直腸下部(Rb)の粘膜が非常に凹凸浮腫状でその表面にもびらん・潰瘍が存在することが特徴的であった.(平成2年10月5日採用)