限局性肺炎様陰影を呈した末梢型類表皮癌の1例 症例は71歳男性.胸部X線で右中肺野に淡い肺炎様陰影を認め,半年後には一時軽度縮小し,明らかな腫瘤影を形成しないため炎症性病変と考えていた.しかし,7ヵ月後の喀痰細胞診でclass V (類表皮癌)の結果が得られたので,右下葉切除術が施行され,同様の結果が得られた.陰影の縮小を伴った限局性肺炎様陰影を呈した理由として,周囲にみられた器質化肺炎が,腫瘍自体は増大したものの経過とともに何らかの機序で改善し,限局性肺炎様陰影があたかも縮小したかのようにみえたものと考える.[平成2年].0月26日採用)