限局性胸膜中皮腫6例の臨床病理学的検討 本学において経験した限局性胸膜中皮腫6切除例について臨床的ならびに病理学的に検討を加えたので報告する.有症状であったのは1例のみであり,他は無症状でいずれも偶然集団検診で発見されたものであった.3例は臓側胸膜から発生した有茎性の腫瘍で,他の3例は壁側胸膜から発生した無茎性の腫瘍であった.組織学的には,全例とも良性線維性胸膜中皮腫,限局型であった.経過は,観察し得た3例においていずれも再発なく,術後1年から5年たった現在も健在である.しかし,再発例の報告もあることから今後とも注意深い経過観察が必要と考える. (平成2年12月17日採用)