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Online edition:ISSN 2758-089X

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川崎医科大学附属病院総合診療科における腹部不定愁訴患者と機能性ディスペプシア患者の現況

 器質的疾患を認めない上腹部不定愁訴患者は, 機能性ディスペプシア(functionaldyspepsia: FD)と呼ばれるようになったが,本邦の外来患者には,国際的な診断基準であるローマⅢ基準の病脳期間を満たす患者が少ないことが,以前から指摘されている.一方,当院総合診療科では,以前から腹部不定愁訴患者の診療を行ってきたが,昨年からは週1回のペースで,腹部不定愁訴外来を開設した.そこで,この3年間に総合診療科を受診した初診患者のうち,腹部不定愁訴患者についてレトロスペクティブにその特徴を検討した.対象は2008年4月1日から2011年3月31日までの3年間に,川崎医科大学総合診療科を受診した初診患者7,250名とした.初診患者のうち腹部症状を訴えた患者は1,184例であり,136例に上部消化管内視鏡検査が施行されたが,30例で器質的疾患が発見された.器質的疾患が除外された106例で,ローマⅢ基準を満たすFD 患者は15例(食後愁訴症候群5例,心窩部痛症候群10例)であり,病悩期間が基準を満たさない上腹部愁訴患者は66例(食後愁訴症候群15例,心窩部痛症候群51例)であった.(平成24年3月17日受理)
著者名
楠 裕明,他
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25-31
DOI
10.11482/KMJ-J38(1)025

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