Online edition:ISSN 2758-089X
ラットリンパ球の光学顕微鏡的,免疫組織化学的検索のためのMethacarn固定法
リンパ球表面抗原の多くはホルマリン固定パラフィン包埋材料では失活することが多く,凍結切片材料を使用せざるを得ないとされている.しかし,凍結切片法では組織,細胞の形態の保存性が悪いなど欠点も多い.パラフィン包埋材料でリンパ球表面抗原の組織化学的検索と形態学的観察が同時にしかも満足いく程度にできる固定法を見つけだす目的で,今回我々はマウス抗ラットリンパ球抗体(MRC 0X6, W 3/13, W3/25, MRC OX8)を使用し, Methacarn法とAMeX法を凍結切片法と比較し検討してみた.その結果,いずれの方法でも抗原性は保存されるが,組織,細胞の形態の保存性が最も優れていたのはMethacarn法であることがわかった.また,用いる抗体によって,固定法を選択しなければならないことも明らかとなった.(昭和63年10月4日採用)
- 著者名
- 杉原 佳子,他
- 巻
- 15
- 号
- 1
- 頁
- 6-12
- DOI
- 10.11482/KMJ-J15(1)6