Online edition:ISSN 2758-089X
胃集検で発見されポリペクトミーにて摘出した十二指腸 Brunner腺腫の1例
症例は,68歳女性で,5年前の胃集団検診で十二指腸に隆起性病変を指摘されるも放置していた.近医で十二指腸病変を指摘され,当科へ紹介され入院した.十二指腸造影では,十二指腸球部に根部をもつ有茎性の隆起性病変を認めた.内視境検査で,十二指腸に有茎性ポリープを認めた.頭部に近い茎部に3か所にわたり0.2 mlずつエタノールを注入してからポリペクトミーを施行した.摘出したポリープは, 1.5×4cm大であった.組織所見では,Brunner腺腫と診断された.本邦においては,内視境的ポリペクトミーにて摘出されたBrunner腺腫の報告例は自験例を含め41例の報告があるに過ぎない.内視境的ポリペクトミーされたBrunner腺腫の17%の症例が胃集団検診で発見されていることになり,胃集団検診の読影に際しては十二指腸球部の読影もおろそかにできないことを強調したい.(昭和63年11月11日採用)
- 著者名
- 星加 和徳,他
- 巻
- 15
- 号
- 1
- 頁
- 166-170
- DOI
- 10.11482/KMJ-J15(1)166