Online edition:ISSN 2758-089X
Contact Thermography による正常および乳癌乳房の乳房支配血管分布の研究
正常乳房の熱画像を乳房支配血管群からcontact thermographyとtele-thermographyを用いて比較し,両者の関係を検討した.また,乳癌乳房におけるこれら血管群の分布も検討した.1.正常乳房の血管群を内側・上方・外側血管群の3群に分類した.2.正常乳房の血管分布は,内側血管群の出現頻度が最も高く,また,すべての年齢層で最も高い.外側血管群の単独出現は内側血管群よりも低頻度で,通常内側血管群とともに出現する.上方血管群の出現は最も低頻度で,単独出現はほとんどなく,内・外血管群に伴って出現する補助血管群である.3.正常乳房の各血管群出現頻度は,31~40歳が最も高率で成熟期乳房である.61歳以上の高齢者は血管構築の乏しい低温乳房であるが,内側血管群により支配されている.4.上方血管群は乳癌乳房では高頻度に出現するが,各乳房支配血管群の出現頻度は乳癌発生部位と関係がある.(平成元年2月28日採用)
- 著者名
- 三宅 一昌
- 巻
- 15
- 号
- 2
- 頁
- 256-267
- DOI
- 10.11482/KMJ-J15(2)256