Online edition:ISSN 2758-089X
最近10年間の悪性リンパ腫の統計学的検討
1978年より1988年までの10年間に入院治療を行った悪性リンパ腫25症例について統計学的・臨床的検討を行った.1)発症頻度は男性:女性で2:3とやや女性に多く,50歳以降に漸増する傾向にあった.2)主訴は頸部リンパ節腫脹が7例(28%)と最多で以下耳下部腫脹4例(16%),咽頭異常感4例(16%)であった.3)初発部位はWaldeyer咽頭輪が11例(44%)と最多で,頸部リンパ節は9例(36%)であった.4)病期分類では,I期1例(4%),Ⅱ期5例(20 %)Ⅲ期1例(4%),IV期18例(72%)でⅢ期・IV期の90%以上が50歳以上であった.5)最近5年間は初回から強力な化学療法(CHOP, COPP)で寛解導入が行われ放射線療法を大多数に施行するようになった.6)治療効果判定基準(木村ら)1)に従うと寛解効果は64.5%であったが,Ⅲ期とIV期における5年生存率は皆無であった.(平成元年3月18日採用)
- 著者名
- 大内 芳春,他
- 巻
- 15
- 号
- 2
- 頁
- 358-363
- DOI
- 10.11482/KMJ-J15(2)358