胃癌(stageⅢ, IV) 238例について,輸血と予後の関係を検討した.1)stageⅢの治癒切除例では,輸血群が非輸血群に比べて有意に予後不良であった.2)治癒切除が可能であったstage IV 症例においても,輸血群が非輸血群に比べて予後不良の傾向であった.3)末梢白血球数及びリンパ球数の変動は,輸血の有無及び量いずれとも相関はみられなかった.4)ツベルクリン反応は変動が大きく,一定の傾向を示さなかった.5)輸血の種類及び量と予後との関係は明確にはできなかったが,輸血が予後に悪影響を与えている可能性が示唆された.(平成元年10月2日採用)
著者名
岩本 末治,他
巻
15
号
4
頁
617-622
DOI
10.11482/KMJ-J15(4)617
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