h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

耳下腺腫瘍39例の臨床的検討

1974年4月から1989年3月の15年間に当科で治療を行った耳下腺腫瘍39例について臨床的検討を行い次のような結果を得た.1.耳下腺腫瘍は同時期に当科で治療した全頭頸部腫瘍の8%を占めた.良性腫瘍26例,悪性腫瘍13例であった.2.良性腫瘍のうち多形腺腫が16例(61%)で最も多く,次いで腺り冫パ腫が8例(31%)であった.悪性腫瘍では粘表皮腫と腺癌が多く,粘表皮腫はいずれも中間型または低分化型であった.3.多形腺腫は女性に,腺リンパ腫は中年以後の男性に多かった.悪性腫瘍は男性に多く,様々な年齢層に発症していた.4.受診までの平均期間は,腺リンパ腫と悪性腫瘍ではそれぞれ約1年で,多形腺腫に比べると短期間であった.5.悪性腫瘍には顔面神経麻痺や疼痛及び癒着が高率に認められ,病期の進行した症例が多かった.6.治療法は腫瘍摘出術で,悪性腫瘍には放射線療法,化学療法を併用した.7.良性腫瘍では再発を認めなかったが,悪性腫瘍症例の多くは,局所進展や遠隔転移により不幸な転帰をとった.(平成元年6月14日採用)
著者名
中川 のぶ子,他
15
3
467-474
DOI
10.11482/KMJ-J15(3)467

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