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Online edition:ISSN 2758-089X

不安状態患者のクラスター分析とβ‐遮断薬の抗不安効果

不安状態にある患者のクラスター分析を行いβ一受容体遮断薬Carteololの効果を検討し以下の結果を得た.1.クラスター分析の結果,身体症状(筋肉系),心血管系症状,呼吸器症状,胃腸症状が特徴的な『身体症状型』と,恐怖,不眠,知的能力(認知)の変化,抑うつ気分,身体症状(感覚系)が特徴的な『抑うつ症状型』と,不安気分,心血管症状,呼吸器症状が特徴的な『胸部症状型』の3群に分類できた.2. Carteololの抗不安作用は『身体症状型』の60.0 %,『抑うつ症状型』の80.0 %,『胸部症状型』の42.9%に認められた.3.β一受容体遮断薬Carteololはうつ状態に伴う不安状態に対して使用する価値のある薬剤であると推察した.(昭和62年7月10日採用)
著者名
笹野 友寿,他
14
1
26-30
DOI
10.11482/KMJ-J14(1)26

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