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Online edition:ISSN 2758-089X

老年者胃・十二指腸潰瘍の臨床的検討

昭和61年1月より12月までの1年間に初回内視鐃検査で胃・十二指腸潰瘍と診断された325例のうち60歳以上の老年者は118例, 36.3 %であり,潰瘍別に老年者の占める率をみると胃潰瘍では43.5%,十二指腸潰瘍では23.6%,胃・十二指腸併存潰瘍では34.6%であった.老年者の胃・十二指腸潰瘍のなかで胃潰瘍は71.2%で十二指腸潰瘍は21.5%であり,若年者,壮年者に比べて胃潰瘍の占める割合が明らかに高く,高齢になるにつれてこの傾向が大であった.胃・十二指腸併存潰瘍では,各年齢層で明らかな差はなかった.老年者胃潰瘍の存在部位は,胃体部,特に胃体上部に多かったが,十二指腸潰瘍の存在部位では各年齢層による差は認められなかった.老年者では,自覚症状がしばしば認められなく,高齢になるにつれて潰瘍出血例は頻度を増していた.(昭和62年9月4日採用)
著者名
張 泰昌,他
14
1
84-89
DOI
10.11482/KMJ-J14(1)84

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