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Online edition:ISSN 2758-089X

骨シンチグラフィ上Super Bone Scanを呈した悪性腫瘍の検討

骨シンチグラフィ上,び漫性の集積増加を認めた悪性腫瘍(胃癌3例,前立腺癌4例,移行上皮癌1例)8例について,組織型,血清アルカリフォスファターゼ(ALP),カルシウム,リン,クレアチニン,尿素窒素濃度,骨シンチグラム所見,骨x線像及び肝,肺転移の有無を検討した.び漫性の集積増加と組織型との間にはー定の傾向がみられなかった.血清パラメーターのうち,血清ALP値は全例著明な高値を示し,造骨細胞の活性が亢進していることが示された.骨x線像では,転移巣は骨硬化像が主体であり,一部骨融解像が混在していた.胃癌例について,肝転移との関係をみると,肝転移が認められないにもかかわらず、び漫性の骨転移が存在した例が3例中2例に認められた.このように,び漫性の骨集積を示す例は,99mTc標識リン酸化合物の集積機序や骨動態を知る上で興味深いことが示された.(昭和62年9月25日採用)
著者名
森田 浩一,他
14
1
105-112
DOI
10.11482/KMJ-J14(1)105

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