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Online edition:ISSN 2758-089X

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食道重複症(先天性食道憩室)内に発生した食道癌の1例

食道拡張部に発生した食道癌の1例を経験した.症例は47歳女性で,8歳頃より嚥下障害があった.昭和56年に嚥下障害のため当科に入院した.食道造影では上部食道に嚢状の拡張部とその肛門側に狭窄を認め,この拡張部に隆起性病変を認めた.嚢状の拡張部の大きさは7×10 cm 大で,隆起性病変は5×8cm大であった.内視鏡検査では,拡張部に隆起性病変を認め,その部の生検より扁平上皮癌と診断された.放射線療法を施行したところ,腫瘍は消失し,5年間経過観察するも再発を認めていない.食道造影では,この拡張部は二つの部分よりなり,食道に連続する本来の食道と思われる部分の前方に嚢状に拡張した部分が存在し,食道重複症(先天性食道憩室)と診断した.このような大きな食道重複症内に食道癌が発生することは極めてまれである.(昭和62年9月30日採用)
著者名
星加 和徳,他
14
2
257-261
DOI
10.11482/KMJ-J14(2)257

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