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Online edition:ISSN 2758-089X

両側Fan-shaped flap 法で再建した下口唇有棘細胞癌の1例―Fan-shaped flap 作製上の工夫について―

口唇癌の95%以上が下口唇に認められ,組織学的に90%以上が有棘細胞癌であるといわれている.外科的治療が下口唇癌に対ししばしば選択されるが,整容的な問題だけでなく食事・会話等の機能的問題も生じうる. 下口唇組織は幅1/3までは単純縫縮が可能であるが欠損幅が1/3を超えると何らかの再建術が必要となる.開口機能,閉口機能,構音機能,感情表現,知覚を最大限再現することが術後機能回復の上で重要となる. 皮膚・筋肉・粘膜の三層構造を持つ頬部や口唇の組織を全層で用いる局所皮弁は,機能的にも整容的にも良い結果を得やすい. 今回われわれは下口唇に生じた有棘細胞癌に対し下口唇切除後,両側Fan-shaped flap 法に工夫を加えて再建した.術後食事,会話に問題なく整容的にも満足する結果が得られた.doi:10.11482/KMJ-J41(1)1 (平成27年1月13日受理)
著者名
原田 崇史,他
41
1
35-40
DOI
10.11482/KMJ-J41(1)35

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