h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

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人工骨(合成ハイドロキシアパタイト)の骨内埋入部の強度に関する研究―打ち抜き試験と非脱灰硬組織標本による骨-合成ハイドロキシアパタイト界面の検討―

骨の無機質と同一の化学構造を持つ多孔性合成ハイドロキシアパタイトを成犬大腿骨および脛骨に埋入した.術後4, 8, 12週で周囲骨組織を含めてアパタイトを採取し,組織学的および力学的に検索を行い次の結果を得た.1)合成ハイドロキシアパタイトは結合織を介さず,新生骨と直接に結合していた.また,合成ハイドロキシアパタイトの気孔内には新生骨の進入を認めた.更に,炎症細胞の浸潤や異物反応はみられなかった.このように,合成ハイドロキシアパタイトは優れた骨親和性と骨伝導性を有していた.2)大腿骨に埋入した円柱型の合成ハイドロキシアパタイトに打ち抜き試験を行った.その結果骨とアパタイトは強く結合しており,術後4週におけるアパタイトの打ち抜きと,正常海綿骨の打ち抜きに必要な力の大きさはほほ同程度であった.3)合成ハイドロキシアパタイトの骨親和牲を数量化するため,アパタイトの表面に接触した骨組織の量を計算して,骨組織接触率(bone contact ratio)を算出した.また,アパタイトの気孔内に進入した骨組織の量を計算して,骨組織進入率(bone ingrowthratio)を算出した.その結果,合成ハイドロキシアパタイト周囲の骨新生は術後約8週でプラトーに達し,アパタイト中央部では術後12週以降でも骨新生が進行していることがわかった.4)合成ハイドロキシアパタイトは骨親和性がよく,骨との十分な接着強度が得られ,供給量も豊富で保存,消毒,成形も容易であり,優れた骨補填材として利用価値が高い.(昭和63年2月26日採用)
著者名
西下 淑文
14
3
359-371
DOI
10.11482/KMJ-J14(3)359

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