Online edition:ISSN 2758-089X
肺拡散能力の測定法に関する検討
1.肺拡散能力測定(一回呼吸法)におけるForsterの方法とMcGrathの方法を比較検討し,以下の成績を得た.1)Forsterの方法によるDLcoとMcGrathの方法によるDLco´の間には高い相関があるものの, Forsterの方法によって得られた値の方が, McGrathの方法による値より高値を示した.2)両者の肺拡散能力値の差は,測定時の肺胞内気量の差に相関した.3)肺胞内気量の差は, ⊿N2とは相関せず,機能的残気量と有意な相関を示した.2. 一回呼吸法(McGrathの方法)と恒常状態法における肺拡散能力値を比較検討し,以下の成績を得た.1)両者の間には高い相関があり,DLco´が(一回呼吸法)=1.57xDLco(恒常状態法)+3.92の式を得た.2)恒常状態法に比し,一回呼吸法の方が⊿N2との相関が高かった.(昭和63年4月15日採用)
- 著者名
- 沖本 二郎,他
- 巻
- 14
- 号
- 3
- 頁
- 459-465
- DOI
- 10.11482/KMJ-J14(3)459