B型慢性肝炎に対するインターフェロン療法の治療経験 インターフェロン(IFN)療法を行ったB型慢性肝炎5例の血清学的および肝生検組織からみたIFNの有効性について検討した. IFN-βを1日3×106~6×106 IU, 4週間連続投与した.投与期間中,全例でDNA-Pの低下がみられた. HBe抗原は1例のみに陰性化が認められた.投与初期にトランスアミナーゼの上昇傾向がみられたが,投与終了後改善した.好中球減少が1例でみられたが一過性であり,投与中止せずに回復した.治療後の肝生検では2例で改善,3例で不変であった.肝実質内の壊死巣の改善や門脈域の細胞浸潤の減少が認められた.(昭和63年5月6日採用)