結石性無機能腎に隠された腎盂腫瘍の1剖検例54歳,男性,初診:昭和58年5月6日,2ヵ月前より左側腹部痛,食欲不振,発熱あり青木外科受診,左尿管結石・左無機能腎の診断のもとに尿管切石術施行.摘出結石は燐酸マグネシウムアンモニウム結石.術後,腹水の増大,腸雑音の微弱あり腸軸捻転症の疑いで川崎病院外科転医,肝シンチ,CTで肝膿瘍,左腎術後膿瘍を疑ったが7月3日死亡.剖検にて18×13×8 cm. 1,060 g, TCC,gradeⅢの左腎盂浸潤性腫瘍,肝には5cm大の転移巣数個判明した.悪性腫瘍好発年齢の尿路結石症例においては,癌合併を考慮し検査をすすめるべきであることを反省した.(昭和63年5月2日採用)
著者名
森永 修,他
巻
14
号
3
頁
507-511
DOI
10.11482/KMJ-J14(3)507
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