新生児脳室内出血の5救命例 ―反復腰椎穿刺による出血後水頭症の予防について― 新生児集中治療(neonatal intensive care)の発達により,従来救命し得なかった重症新生児や低出生体重児が救命され,さらにintact survival においても著しい改善がみられるようになった.一方,周生期に起因する合併症は児の予後に大きな影響をおよぼし,とりわけ,頭蓋内出血は特に死亡率が高く,救命できても高度の障害を残すとされている.1), 2)近年,CTスキャン,頭部超音波断層法(以下USとする)などの出現により,頭蓋内出血,特に脳室内出血の診断が容易となり,早期治療が積極的に試みられている.著者らは脳室内出血の5症例に反復腰椎穿刺による髄液排除を試み,比較的良好な結果を得たので報告する.(昭和63年6月6日採用)