強度変調放射線治療を施行した胃MALT リンパ腫の1例 症例は60歳代男性で,下肢浮腫を主訴に受診.ネフローゼ症候群を認め,精査の結果,胃MALT リンパ腫および膜性腎症と診断された.Helicobacter pylori 陰性であり,除菌は行なわず放射線療法の方針となり,強度変調放射線治療を用いた30.6Gy/17回の全胃照射を施行した.従来の三次元原体照射と比較し,強度変調放射線治療を用いることで,両腎の照射線量を低減できた.照射後24カ月の時点で,腫瘍は寛解を維持しており,放射線治療の副作用による腎機能の低下も認めていない.強度変調放射線治療を用いた全胃照射は,安全かつ有用な照射方法と考えられた.doi:10.11482/KMJ-J41(1)19 (平成26年12月19日受理)