h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

骨髄移植の実際と問題点一自験例を中心にー

同種骨髄移植は,造血器悪性腫瘍,再生不良性貧血などの疾患に対する根治療法として,最近10余年にわたり著しくその成績を向上させてきた。しかし,いま解決されねばならない問題点も多く,ここに白血病の2症例を提示し,その実際と問題点について述べる。症例1は急性単球性白血病の12歳の女性。分割放射線全身照射とhigh-dose Ara-Cにて前処置を行い, HLAの一致した姉より骨髄移植を施行した。移植後の回復は順調であり,合併症もほぼ認められなかった。症例2は慢性骨髄性白血病急性転化の25歳の女性.high-dose busulfan とcyclophosphamideにて前処置を行い, HLAの一致した弟より,移植を施行した。移植後,血液学的回復は良好であった. GVHDは軽度でIPは認められなかったが, day 30以降に重度の肝内胆汁うっ滞型肝細胞障害を呈した。その後全身状態は改善していったが, day 90の骨髄染色体検査にて再発を認めた。前処置の選択,GYHD, IP,種々の感染症の予防等の問題点は,基礎的,臨床的な研究の成果により,かなり改善が認められてきている。しかし,急性白血病再発例や,慢性骨髄性白血病急性転化例に対する対策や再発予防といった点が,今後の課題となる。
著者名
大槻 剛巳,他
13
2
117-127
DOI
10.11482/KMJ-J13(2)117

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