h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

尿中フィブロネクチンに関する研究 I.基礎的検討と基準値の設定

近年,体液中のフィブロネクチン濃度の測定が種々の疾病の診断や病態を知る上で,臨床上重要な情報を与えてくれつつある.われわれは,簡便でかつ迅速なfibronectin ・ EIA (FN ・ EIA)キットを用いて尿中フィブロネクチンを測定し,その基礎的検討ならびに健常人の基準値の設定を試みた.本法は固相を用いたサンドウィッチ法による酵素免疫測定法(EIA)で,再現性,希釈による直線性にすぐれ,添加回収も良好で16~1000 ng/ml の広範囲で測定することができた.検体の保存は-20℃としポリチューブを用いた.測定は室温で施行し,比較的安定した反応系が得られた.日内変動も大きな差はなく,腎機能による影響もほとんど認められなかった.健常人155名による尿中フィブロネクチン値は,加齢とともに上昇傾向が認められたが,年齢別の検討では20歳代が最も低値を示した.女性に比し男性の方がやや高値を示した.なお, cut off 値は160 ng/ml であった.今後各種疾患に対し,尿中フィブロネクチン濃度の測定を行って,その機能と病態との関連を解明し,臨床に大いに役立てられるものと考えられた.
著者名
中塚 繁治,他
13
4
339-346
DOI
10.11482/KMJ-J13(4)339

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