胸痛と心筋逸脱酵素値の上昇より心筋梗塞を合併したと考えられる, Smith l 型の単冠動脈症の1例を経験した.冠動脈造影では右冠動脈を完全に欠除し,左冠動脈には大きな分岐異常はなく,正常走行を示す左前下行枝と,後壁を右下方へ異常に延長した回旋枝で心臓全体が還流されていた.なおこれらの血管には狭窄病変は認められなかった.梗塞を合併した単一冠動脈症の報告はまれであり,その臨床的意義につき文献的考察を加え報告する.
著者名
金谷 経律,他
巻
13
号
4
頁
382-387
DOI
10.11482/KMJ-J13(4)382
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